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R破綻を受けて混乱する市場に関し、売り手と買い手の提示する価格が大きく違い、市場が機能していないとの評価を示した。
証券化商品については、一部で投げ売りが出て、極端に低い価格が付いていた。 しかし、投げ売りの価格は公正価値とはいえないとの見方を示した。
そのうえで、参考となる売買価格がない場合には、企業が独自の見積もりを使うことを認めるとしていた。 3月の手紙の内容をわかりやすく示して、多くの会計士に、SECの厳密な時価評価からの方針転換を印象付けることをねらった。
4月初めに、時価評価の後退は決定的になる。 FASBは、時価会計を適用しなくて済む金融資産を大幅に広げることを決め、3月期決算から新しい基準の利用を認めた。
まず時価会計の例外を拡大した。 これまで時価がつかめない際に独自のモデルで算出した公正価格を利用できるとしていた。
新基準では「最近の取引がない」「価格が最近の情報に基づいて付けられていない」「売り希望価格と買い希望価格の差が広い」「新規発行が途絶えている」「十分な情報が公開されていない」などに該当する市場については、時価評価の例外としていいとする見解を示した。 時価が著しく下落した場合に帳簿上の価格を実質価格に強制的に引き下げる減損処理の基準も、緩和した。
満期まで保有する資産について、価格が帳簿価格の半分以下になれば減損処理をする必要があった。 それに対して満期までに価格が回復することを示せれば、満期時の減価見通し額だけを損失計上していいことにした。
これによって金融機関は、かなりの資産について時価評価ではなく自ら算出するモデルに基づく公正価格を使えるようになった。 サブプライムローン関連のCDOにとどまらず、LBOや一部の高リスク債券の多くを時価評価から外すことが可能になった。
トレーディング勘定でなお多額の証券化商品を抱える米国の銀行の損失を軽くすると共に、米国で活動する欧州の銀行の証券化商品の減損処理の急増を回避できる見通しとなった。 金融システムの安定を優先する銀行監督当局の要請に、FASBが応えた。
この時価評価の後退によって、投資家は金融機関の資産の内容がつかみにくくなった。 時価評価は市場の基本で、投資家が安心して取引できる最低限のルールだった。
その環境を整えることが、会計士の存在意義だった。 しかし新基準は、もはや時価が基準とはいえない抜け穴だらけのゆがんだ市場を容認する格好になった。
当局の圧力に屈した会計士は投資家に背を向け、投資家は金融機関の発表する財務諸表を見ても実態をつかめない事態に陥った。 会計士は市場の番人の役割を放棄した形で、財務諸表への信認低下に拍車をかけると見られている。
時価評価の後退に加えて、投資家を欺きかねない会計処理が横行した。 Cなど米国の大手金融機関は、1〜3月期に負債の評価益を計上した。
通常、金融機関は期限が来ると、契約に従って負債は全額返済する必要がある。 そのため負債は負債額の100%を計上する。
ただ、負債には社債など市場性のものがある。 それらは流通市場で取引され値段が付いており、それで負債を評価する手法を認めている。
金融危機のさなか、米大手金融機関の社債などは額面を大きく下回る価格で取引されていた。 例えば、大手金融機関の社債は額面ので取引されており、その大手金融機関は負債価格だと認識。
額面の100と、負債の時価の差額である負債の評価益として計上したのだ。 。
通常の満期償還に比べて返済が減る。 ライアピリティも変動するわけで、それを会計評価に反映させる考え方は理解できないわけではない。
しかし、実際にその大手金融機関が、その価格で社債を買い戻すことはあまりない。 社債価格が額面を大幅に下回っているときは、その発行体の経営状況が傾いている可能性が大きく、負債を買い戻す余力は小さい。
仮に買い戻せたとしても、負債のほんの一部にすぎない。 にもかかわらず負債全体を時価で評価するのは、虚構に基づく非現実的な会計処理だ。
米大手金融機関は、そんな負債の評価益を目いっぱい活用し、数億ドル単位で利益をかさ上げした。 会計処理に詳しい投資家は、金融機関の決算のデコレーションを非難したが、多くの投資家は負債の評価益で膨らんだ利益を金融機関の実力と勘違いして株式の購入に走った。
時価は市場の基本である。 今回の危機では取引が薄く、そこで大幅に下がった値段は正しい価格とはみなさなかった。
それを時価とみなすと、大手金融機関が破綻し、金融システムが混乱するためだ。 それは国公認の粉飾で、それが市場の危機感を拭い去り、株価は戻り歩調になった。
ただ資産の価格は、金融機関や当局が恋意的にゆがめることができることが明らかになった。 それどころか、ゆがめて投資家に不利な価格で資産を購入することを、金融機関や当局が勧めた。
投資家はいずれ市場が不透明で、欺かれる恐れが大きい場であることに気づくだろう。 資家のマネーを集めて拡大する市場経済の復活は遠退いたといえる。
R破綻は、欧米で民間銀行のあり方に深刻な疑問を投げかけた。 Rでさえ破綻するのだから、ほかの大手も破綻しかねないとの見方が広がり、銀行間の資金取引が止まった。
すでに民間の力だけで信用を回復することはできない状況に陥っており、国の本格介入が始まった。 2008年9月末以降、ドイツがH・R・Eを救済、アイスランド政府はG銀行を救済した。
さらにベネルクス3国は、ベルギーのFを国有化。 英国はB・A・B(B&B)を国有化した。
さらにベルギーはDに資本注入した。 オランダ、フランスなどが、相次ぎ大手金融機関に公的資金を投入した。
英国もRBSとRTSBに公的資金を投入した一方、米国も不良資産を買い取るために作った金融安定化法を使って、大手9行に資本注入した。 その後、CとB・O・Aには追加投入をしている。
米国では6月になって、G・Sなど一部が公的資金を返済したが、C、B・O・Aの2大銀行は準国有化ともいえる状態が続いている。 欧州でも多くの国が、大手銀行の株主に名を連ねる異様な事態が続いている。
欧米がめざしたのは、金融資源の配分を民間に委ねるシステムだった。 政府が関与すると成長分野に資金が回らず、効率が落ちるからだ。
政府の介入を極力排して民間の力を最大限に引き出すのが金融の活力で、その象徴が民間金融機関が集まるロンドンのシティやニューヨークのウオール街だった。 ところがシティやウォール街の看板ともいえるRBSやシティグループは実質国有化され、それに対抗するフランスの銀行などにも公的資金が投入された。
公的資金投入は、議決権を伴わない優先株を買う形が多かった。 政府は、表向き金融システムを支える銀行は守るが、経営介入はしないと表明した。
しかし国民の税金を投入している以上、金だけ出して口出ししないということはあり得ない。 国内融資の増額、役職員の報酬制限、リスクの高い業務の抑制など、政府介入は次第に強くなっていく。
民間による資本の配分の理想は、危機でかき消された。 国の資金で直接助けられたり、信用補完された金融機関の資本の配分は、国の意向に左右される。
民間は純粋に利益を追求できるから、競争力のある企業に資金が流れ、経済成長が加速される。
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通常、金融機関は期限が来ると、契約に従って負債は全額返済する必要がある。 そのため負債は負債額の100%を計上する。
ただ、負債には社債など市場性のものがある。 それらは流通市場で取引され値段が付いており、それで負債を評価する手法を認めている。
金融危機のさなか、米大手金融機関の社債などは額面を大きく下回る価格で取引されていた。 例えば、大手金融機関の社債は額面ので取引されており、その大手金融機関は負債価格だと認識。
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さらにベネルクス3国は、ベルギーのFを国有化。 英国はB・A・B(B&B)を国有化した。
さらにベルギーはDに資本注入した。 オランダ、フランスなどが、相次ぎ大手金融機関に公的資金を投入した。
英国もRBSとRTSBに公的資金を投入した一方、米国も不良資産を買い取るために作った金融安定化法を使って、大手9行に資本注入した。 その後、CとB・O・Aには追加投入をしている。
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